関西学院大学 研究活動情報

Kwansei Gakuin University Research Activities

武田直也・生命環境学部准教授による高感度タンパク質検出システムSNOWを用いた研究

2022.05.08

個人研究 Individual Research

武田直也・生命環境学部准教授および赤松明・生命環境学部助教らは、フォスファチジルイノシトールのリン酸化状態の変化が、マメ科植物のミヤコグサと土壌微生物の根粒菌の相互作用に影響を与えることを明らかにしました。
植物と微生物の相互作用の接点となるのは、互いの細胞膜が接し合う領域です。そのため、宿主植物の細胞膜において、どのような現象が生じているのかを知ることは、植物が共生可能な微生物を選別する手段を明らかにするために重要となります。植物細胞膜を構成する脂質成分のひとつフォスファチジルイノシトールは、リン酸化を受ける部位の違いによって5つの異なる形態をとることが知られています。
本研究では、根粒共生において機能することが明らかとなっているフォスファチジルイノシトールの輸送を担うタンパク質が、どのタイプのフォスファチジルイノシトールと結合するのかを、PIPストリップという手法を使って検出を試みました。PIPストリップにおけるタンパク質の検出には、今回導入したAmersham™ ImageQuant™ 800 (IQ800)を使用しています。本機がもつSNOW(signal-to-noise optimization watch)という機能は、従来の検出機よりもシグナル/ノイズ比が良化しており、より鮮明な結果を得ることができました。
今回、これによりタンパク質とフォスファチジルイノシトールの特異性を見極めることができました。今後は、本機を使用し、タンパク質-脂質間相互作用だけでなく、タンパク質-タンパク質間相互作用の検出等にも積極的に活用していく予定です。
戻る
back