加藤昌子・生命環境学部環境応用化学科教授が2022年7月3日～8日に北マケドニア共和国オフリドで開催された第25回有機結晶国際会議（International Conference on the Chemistry of the Organic Solid State [ICCOSS XXV]）で基調講演を行いました。
本会議は、有機化合物の結晶や固体状態に関する化学について議論する国際会議として50年の歴史を持ちます。他の多くの国際会議と同様、COVID-19の影響で開催が2021年から１年延期され本年の開催でした。北マケドニアはギリシアの北に位置する人口200万人の小さい国で、静かな湖畔の町、オフリドに約100名の有機結晶関連の化学者が集合して６日間の会議が行われました。有機結晶の分野では、近年、自在に変形する柔軟な結晶や、光を照射すると折れ曲がる性質を示す結晶等に注目が集まっており、結晶の特異な性質や結晶構造解析の報告が多くみられました。
加藤教授は、「Photofunctional Soft Crystals Based on Pt(II) Complexes」の講演題目で、新学術領域研究として5年間推進してきた「ソフトクリスタル：高秩序で柔軟な応答系の科学と光機能」について紹介するとともに、発光性白金錯体結晶に関する最新の研究成果について講演を行いました。講演後は若い研究者からの質問も出て、日本における本分野の研究のアクティビティを世界の研究者にアピールする絶好の機会となりました。