松田祐介・生命環境学部教授がドイツ、コンスタンツ大学よりPeter Kroth教授を招きました。共同研究内容は、地球上の炭酸固定（つまり食物生産）の20%程度を担う海洋性珪藻類の、光合成の中心機能を担う葉緑体内構造体の分子を詳細に網羅し、その機能を明らかにすることです。今回、双方の研究データを紹介し、珪藻葉緑体の構造機能に関して新たな研究方向性を討論することができました。また、欧州を中心に規格化が進んでいるUloopシステムという遺伝子合成系について、先方から紹介を受け、この規格化に参画することになりました。セミナーを行い、京都大学などからの出席者もいました。珪藻は海洋の炭素循環に最も影響のある生物であり、この葉緑体機能や代謝機能を解明する先端の研究を通じ、温室効果ガスによる海洋酸性化や成層化に起因する、諸問題に資する共同研究につながっています。