関西学院大学 研究活動情報

Kwansei Gakuin University Research Activities

吉村祥子・国際学部教授が「国際法における普遍性と地域性」をテーマに国際共同研究を計画・実施

2024.03.26

共同研究 Collaborative Research

 2024年2月8日から7日間、吉村祥子(よしむらさちこ)・国際学部教授は、ヴァレンティナ・ヴァディ・フィレンツェ大学特任教授と、関西学院大学及び近隣地域において、国際経済及び文化遺産の保護分野に関連する国際法に焦点を当てた共同研究を実施しました。この共同研究には、関連研究や業務に携わる関西学院大学及び他大学の教職員、若手研究者、学生に加え、関連業務に携わる実務者も参加し、分野を超えた意見交換や検討が行われました。
 ヴァディ教授は、Cultural Heritage in International Investment Law and Arbitration (Cambridge, 2014)や、Culture and International Economic Law(共編:Bruno de Witte, Routledge, 2016)など、文化遺産の保護と国際経済法との接点に着目した研究を多く発表しています。このため、共同研究では、まず、世界各地で異なる文化やその成果物を一律の国際基準で文化遺産として認定し保護することの是非について考察を行うこととしました。具体的には、1994年に採択された「オーセンティシティに関する奈良ドキュメント」に着目し、日本の修復を前提とした木材の歴史的建造物に関連する議論が、どのように文化遺産の保護に関する国際標準の方針を転換したかにつき、意見交換を行いました。また、日本から初めてユネスコの世界遺産に登録された姫路城や、日本の木造建築の発達と大工道具や技術の展示を行っている竹中大工道具館を訪問し、その後、クール・ジャパン政策に代表されるような、経済活動と文化財の保護のあり方についても議論を行いました。
 そして、一般的な国際法関連の研究においても、今後はより広い範囲の国家実行を反映させるべきだという共通の考えのもと、1858年に締結された日米修好通商条約において開港5港の一つに指定された神戸港と旧居留地を視察し、日本と外国の貿易関係の歴史をたどりました。その結果、今日の国際経済法の根底たる原則が、古くから日本と外国との通商条約上でも見られることがわかり、今後の共同研究にも反映させていくことを確認しました。
 これらの共同研究の成果の一部は、ヴァディ教授が共同編集者を務めるRoutledge Handbook on International Economic Law (共編:David Collins, Routledge, 2025年刊行予定)にて刊行される予定です。また、日本に重点を置いた文化遺産の保護と国際法に関連する共同研究を、今後数年間で発展させる計画策定を行いました。
 なお、ヴァディ教授の招聘は、関西学院大学から吉村教授に支給された2023年度国際共同研究交通費補助(研究課題:国際法における普遍性と地域性−国際経済及び文化遺産の保護の分野における検討−)に基づくものです。
 
戻る
back