濵村純平・商学部准教授の論文が"Asymmetric performance evaluation under quantity and price competition with managerial delegation"でB.E. Journal of Economics Analysis and Policyに掲載されました
2024.05.14
論文 Article
濵村純平・商学部准教授の経営者報酬契約における業績評価に関する研究成果で2024年4月16日にB.E. Journal of Economics Analysis and Policyに掲載されました。濵村准教授の研究は、製品市場で競争に直面する2つの企業があるとき、それぞれの経営者がどのように業績評価されるのが、企業の利潤にとって望ましいかを考察しています。より具体的には、同業他社と比較する相対的業績評価なのか、それとも顧客を重視するような社会的な指標なのかを選択できるとき、どちらが良いかを調査しました。
数学的な分析の結果、市場で数量競争、価格競争のいずれが起きていても相対的業績評価が選択されることを示しました。さらに、片方が相対的業績評価、片方が社会的指標による業績評価を実施しているとき(非対称なケース)、上記のケースと比較すると、非対称なケースの方が消費者にとって望ましい結果が起こることもあると示しています。
2つめの結果はわかりにくいでしょうが、企業の意思決定が社会にとって望ましくないケースを特徴づけていることになります。とくにこの問題は、経営者報酬契約の開示と関わることになるため、経営者報酬契約の詳細な開示が求められるようになった日本で、企業による選択が望ましくない可能性を示しています。つまり、規制を作る側は、必ずしも経営者報酬契約の詳細な開示が社会にとって望ましいものではないことを頭に入れておく必要があります。これを、資本市場ではなく、製品市場の観点から示しています。
数理的な分析は、企業の最適な行動を特徴づけるだけでなく、製品市場に着目したうえでの規制と関連する議論も可能にします。本研究では、その一片を観察しているといえるでしょう。
数学的な分析の結果、市場で数量競争、価格競争のいずれが起きていても相対的業績評価が選択されることを示しました。さらに、片方が相対的業績評価、片方が社会的指標による業績評価を実施しているとき(非対称なケース)、上記のケースと比較すると、非対称なケースの方が消費者にとって望ましい結果が起こることもあると示しています。
2つめの結果はわかりにくいでしょうが、企業の意思決定が社会にとって望ましくないケースを特徴づけていることになります。とくにこの問題は、経営者報酬契約の開示と関わることになるため、経営者報酬契約の詳細な開示が求められるようになった日本で、企業による選択が望ましくない可能性を示しています。つまり、規制を作る側は、必ずしも経営者報酬契約の詳細な開示が社会にとって望ましいものではないことを頭に入れておく必要があります。これを、資本市場ではなく、製品市場の観点から示しています。
数理的な分析は、企業の最適な行動を特徴づけるだけでなく、製品市場に着目したうえでの規制と関連する議論も可能にします。本研究では、その一片を観察しているといえるでしょう。
雑誌名:B.E. Journal of Economics Analysis and Policy
論文タイトル: Asymmetric performance evaluation under quantity and price competition with managerial delegation
著者:Hamamura Jumpei, Rmani Vinay
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