関西学院大学 研究活動情報

Kwansei Gakuin University Research Activities

研究成果報告 2022-2024年度 大学共同研究費 「政治教育と歴史教育・文化教育による主権者教育の再構築」

2025.02.27

共同研究 Collaborative Research


 峯岸由治・教育学部教授が代表を務める2022-2024年度大学共同研究費「政治教育と歴史教育・文化教育による主権者教育の再構築」(メンバー:森田雅也文学部教授・佐藤真教育学部教授・岩坂二規准教授・中村直人大阪市史編纂所調査員)では、これまでの内外の研究、並びに小・中・高等学校における教育実践の収集・検討を行い、研究成果の発表、教材の開発を行った。
1.政治教育、歴史教育においては、これまでの研究から指摘されている「民主主義発達の歴史を重視する」「憲法の規範や政治の機構・機能を社会の具体的問題や政治の現実に即して教授・学習させていく」「制度の基礎にある精神・原理・理念を学習させる」等に基づいて、以下の教材を作成している。
中・高・大学生を対象としたパワーポイント教材「変革の歴史を歩く―神戸」(製作者:峯岸由治
 本教材は、神戸市内に残る「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」を紹介している。

2.文化教育については、EUの文化教育政策「民主的な文化への能力モデル」を手がかりに、「文化的多様性に対する価値観」「文化の異なりに対する寛大さ」といった視点から、主権者教育における文化教育の重要性を明らかにし、教材を作成している。
高校生・大学生を対象としたパワーポイント教材「異文化コミュニケーションによるアール・ヌーボー様式の誕生と発展」(製作者:峯岸由治
 本教材は、EUの文化教育政策における「民主的な文化への能力モデル」を手がかりに「文化的多様性に対する価値観」「文化の異なりに対する寛大さ」の理解を図っている。

3.以下の教材も作成している。
(1)中・高の教員を志望する大学生を対象としたパワーポイント教材「18歳選挙権時代の高等学校社会系教科教育」(製作者:峯岸由治
 本教材は、収集した中・高等学校における特徴的な授業実践を詳しく紹介している。
(2) 高校生から成人を対象とした「DX社会におけるシティズンシップ―世界を読むリテラシーとしてのグローバル・シティズンシップ教育-」(製作者:岩坂二規准教授)
本教材は、シティズンシップ思想の潮流とデジタル市民社会の位置づけを整理し、グローバル・シティズンシップ教育を「世界を読む」リテラシーの取り組みと捉え、P.フレイレらの実践を手がかりに、これからの民主主義教育への理解を図っている。なお、本教材は、2024年度西宮市大学共通単位講座「西宮・ヒト・暮らし・未来をデザインする:基礎編『DX社会の現状を知る』」第14回授業「DX社会におけるシティズンシップの考え方」(講師:岩坂二規、2024年7月12日実施)の教材である。

 研究成果は、下記の学会誌に発表されている。
1.「地域に根ざした戦争遺跡地図の作成と活用‐『ピースマップ宝塚』を例に-」2023年11月/社会系教科教育学会『社会系教科教育学論叢』第3号
2.「請願・陳情による高校生の政治参加-社会課題への探究的な学びを通して意見表明に至った事例を手がかりに-」2025年3月発行/関西学院大学教育学会『教育学論究』16号
3.「社会参画意識の形成を図る中学校総合的学習における教師の指導方略-埼玉県上尾市立東中学校グローバルシティズンシップ科第3 学年『上尾をプロデュース』を手がかりに-」2025年3月発行/関西学院大学教育学会『教育学論究』16号
4.「現代社会の課題に対する高校生の意見表明-シングルマザー支援策を政党に質した大阪府立西成高校反貧困学習の場合-」2025年3月発行予定/子どものいのちと権利の教育学会『研究紀要』創刊号
 
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