若森晋之介・理工学部助教らによる極低温反応システムを用いた合成研究
2021.04.09
個人研究 Individual Research
化学合成には多段階の化学変換が必要で、その中に極低温反応が含まれるケースが多々あります。その際、極低温反応が可能な機器を複数連結したハイスループット型の装置を用いることで、条件検討できる反応量を飛躍的に向上させることが可能となります。このように極低温反応がボトルネックとなる問題を解消するために、若森晋之介助教は田中大輔准教授とともに本装置を用いた実験を行い、極低温反応を複数同時に進行させる設備の整備に成功しました。冷却能力が高い本装置を用いることで、冷却にかかる時間を短縮し(30分で−80℃まで冷却)、かつ極低温まで細かく温度管理することに成功しました(−100℃±0.2℃)。また、本装置を用いることで、最大1,000mLフラスコでも冷却が可能となりました。本装置を活用することで、化学合成における各種化学変換(酸化反応・還元反応・酸塩基反応・求核置換反応・カップリング反応・ペリ環状反応など)を極低温で行う研究の速度が飛躍的に向上されることが期待されると、若森晋之介助教らは考えています。
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