関西学院大学 研究活動情報

Kwansei Gakuin University Research Activities

寺沢拓敬・社会学部准教授らによる英語力ランキング批判の研究が発表されました

2025.05.08

論文 Article

関西学院大学社会学部の寺沢拓敬准教授、埼玉大学の奥住桂准教授、北海学園大学の浦野研教授による共著論文「英語力ランキング批判:EF-EPI・TOEFLスコア・英語教育実施状況調査」が『中部地区英語教育学会紀要』(同学会の査読付き学術誌)に掲載されました。

本論文は、国際英語力ランキング(EF英語能力指数やTOEFLスコア)、および文部科学省による「英語教育実施状況調査」を対象に、それらが英語教育政策・実践・言説形成に与える影響と方法論的問題を批判的に検討するものです。著者らは、こうしたランキングが統計的代表性・測定妥当性を欠くにもかかわらず、学界・教育界・マスメディアにおいて政策的根拠として広く流通している現状に警鐘を鳴らしています。

さらに、ランキング言説の蔓延が、誤った教育改革の推進や実態解明からの逸脱、学術的信頼の損失をもたらす可能性があることを指摘し、(1)ランキングを安易に引用しない,(2)信頼度の高い国際調査を活用する、(3)調査設計の原則に立ち返るといった建設的な対案を提示しています。

本研究は、英語教育における「見かけの指標」への過度な依存に再考を促し、より実証的・倫理的な議論の出発点となることが期待されます。

雑誌名:中部地区英語教育学会紀要
論文タイトル: 英語力ランキング批判:EF-EPI・TOEFLスコア・英語教育実施状況調査
著者: 寺沢拓敬・奥住桂・浦野研
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