沖米田司・理工学部教授が「RFFL による基質認識機構の解明と機能阻害ペプチドの創出」を研究(個人特別研究費 採択テーマ)
2023.03.31
個人研究 Individual Research
嚢胞性線維症(Cystic Fibrosis; CF)は呼吸器系を侵す単一遺伝病で,世界に8万人の患者が存在する指定難病である(平均寿命40歳).CF の原因は,形質膜の塩素イオンチャネル CFTR の遺伝子変異(DF508 変異)に起因した CFTR タンパク質の形質膜発現低下である.2015 年に DF508 CFTR の形質膜への移行を促進する CF 治療薬(Orkambi)が米国で承認されたが,Orkambi は DF508 CFTR の形質膜不安定化を誘導するため(Veit G, Sci Transl Med 2014),治療効果が非常に弱い(Wainwright CE, N Engl J Med 2015).従って,有効な CF 薬物療法の確立には,形質膜で CFTR を安定化する CFTR スタビライザーが必須であるが,現在,CFTR スタビライザー作用を有する治療薬は存在しない(Fukuda & Okiyoneda, Front Pharmacol 2018).
申請者はこれまでに形質膜 CFTR の不安定化の原因となるユビキチンリガーゼ CHIP(Okiyoneda, Science 2010)及びRFFL(Okiyoneda, Dev Cell 2018)を同定した.特に,RFFL は形質膜で DF508 CFTR と選択的にかつ直接的に結合し,ユビキチン化を促進することで形質膜から DF508 CFTR を分解する.RFFL ノックダウン(KD)は形質膜 DF508-CFTR の分解を抑制し,CF 治療薬 Orkambi の薬効を 2 倍以上増強する(Okiyoneda, Dev Cell 2018).RFFL ノックアウト(KO)マウスは健常であるため,RFFL 阻害剤,特に RFFL-CFTR 相互作用(PPI)阻害剤は,形質膜 DF508 CFTR を安定化する安全性が高いCFTR スタビライザーになる(沖米田 出願 PCT/JP2018/009524).
本研究では、CFTR と RFFL の相互作用を阻害するペプチド剤の探索を行った。RFFL と DF508 CFTRの細胞質領域NBD1(DF508-NBD1)の直接結合を in vitro で簡便に定量する AlphaLISAを確立し、RFFL 由来ペプチドライブラリーを競合阻害剤としてスクリーニングを行った。その結果、RFFL の基質認識領域を推測される領域を含むペプチドが部分的ではあるが、RFFL と DF508-NBD1 の直接結合を阻害することを見出した。今後、本ペプチドを培養細胞に導入し、細胞内での CFTR 相互作用および CFTR 分解への影響を評価する予定である。本研究ではさらに、NMR法により RFFL の基質認識領域の探索を行った。その結果、RFFL N末領域が基質認識に関与する可能性を見出した。今後、詳細な解析により、RFFL の基質認識領域を明らかにする予定である。
申請者はこれまでに形質膜 CFTR の不安定化の原因となるユビキチンリガーゼ CHIP(Okiyoneda, Science 2010)及びRFFL(Okiyoneda, Dev Cell 2018)を同定した.特に,RFFL は形質膜で DF508 CFTR と選択的にかつ直接的に結合し,ユビキチン化を促進することで形質膜から DF508 CFTR を分解する.RFFL ノックダウン(KD)は形質膜 DF508-CFTR の分解を抑制し,CF 治療薬 Orkambi の薬効を 2 倍以上増強する(Okiyoneda, Dev Cell 2018).RFFL ノックアウト(KO)マウスは健常であるため,RFFL 阻害剤,特に RFFL-CFTR 相互作用(PPI)阻害剤は,形質膜 DF508 CFTR を安定化する安全性が高いCFTR スタビライザーになる(沖米田 出願 PCT/JP2018/009524).
本研究では、CFTR と RFFL の相互作用を阻害するペプチド剤の探索を行った。RFFL と DF508 CFTRの細胞質領域NBD1(DF508-NBD1)の直接結合を in vitro で簡便に定量する AlphaLISAを確立し、RFFL 由来ペプチドライブラリーを競合阻害剤としてスクリーニングを行った。その結果、RFFL の基質認識領域を推測される領域を含むペプチドが部分的ではあるが、RFFL と DF508-NBD1 の直接結合を阻害することを見出した。今後、本ペプチドを培養細胞に導入し、細胞内での CFTR 相互作用および CFTR 分解への影響を評価する予定である。本研究ではさらに、NMR法により RFFL の基質認識領域の探索を行った。その結果、RFFL N末領域が基質認識に関与する可能性を見出した。今後、詳細な解析により、RFFL の基質認識領域を明らかにする予定である。
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