関西学院大学 研究活動情報

Kwansei Gakuin University Research Activities

関西学院大学感性価値創造インスティテュート(所長 長田典子・工学部教授)と株式会社ナリス化粧品との共同研究成果がプレスリリースされました

2024.03.08

共同研究 Collaborative Research

マスコミ Media Appearance

 関西学院大学感性価値創造インスティテュート(所長 長田典子・工学部教授)は、株式会社ナリス化粧品と共同でマッサージの効果を時間的に評価する新手法を開発、第19回日本感性工学会春季大会(会期:2024年3月7日~8日)にて発表しました。施術者の感覚評価から、施術対象者の感性を基準にした評価へ、肌と心を満たすことを目的に、株式会社ナリス化粧品との共同研究と日本介護美容セラピスト協会の協力による取り組みが進められました。

 自身でマッサージをすることでも心地よさは得られますが、誰かにマッサージしてもらうことで得られる心地よさはそれ以上の満足感を得られます。
 本研究では、ハンドセラピーで施術を受ける対象者に、統計的な手法で選んだ8つの評価語を施術中に感じたタイミングで選んでもらうことで、施術の各段階「消毒」・「化粧水塗布」・「乳液塗布」・「手の甲側軽擦」・「手の甲両手掌軽擦」・「指圧迫と軽擦」・「手掌側軽擦」・「両手掌軽擦」・「母指圧迫」・「両手掌軽擦追加」・「両手掌包み込み」・「拭き取り」ごとに、どのような感情が優位となっているのか時間軸でデータを収集。施術者の差によるブレをなくすため同じセラピストでの施術を条件とし、異なるマッサージ料で同じ施術を25名に対し3回実施し、合計75回で得られたデータを解析しました。
 施術のメインである「手の甲側軽擦」から「母指圧迫」までの手技の中で優位に選ばれた評価語を「即時実感」、施術直後のアンケート結果を「直後実感」、そして施術翌日のアンケート結果を「後日実感」としてこれらの因果関係を解析した結果、例えば「手の甲側軽擦」で感じられる即時の「癒されている」実感が、直後の「気持ち良さ」実感だけでなく、後日の「癒し」実感にまで影響していることが分かりました。このことから、特定の手技が施術直後だけでなく、後日にハンドセラピーを思い出した際に実感として現れやすい可能性が示されました。
 この研究は今後、ハンドセラピー以外の施術にも応用が可能であるだけでなく、適するマッサージ料を選択することや、施術者のコミュニケーションスキルを含む技術の上達のためにも役立てることができると考えます。

雑誌名:第19回日本感性工学会春季大会
論文タイトル:TDS法によるハンドマッサージセラピーの感性評価
著者:浅井健史, 中村萌, 田邊槙子, 都賀美有紀, 山﨑陽一, 長田典子
ハンドマッサージセラピーの感性構造モデル ハンドマッサージセラピーの感性構造モデル
ハンドマッサージセラピーの感性構造モデル

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